惑星探査情報の行方
UP : 2004.03.10
私の著書の中で、「火星人との密約を暴く」において、「クエール副大統領が密約の背後にいた」とういうセクションがあります。

ここでCNNニュースの報道として「なぜ火星に人間が行かなければならないのですか?」という質問に対して、副大統領が「探査機の写真で、火星に水面が観測をされているからだ」と答えていたことに触れましたが、記録を調べたところ、さらに続きがあることがわかりました。

それは「……だから人間が呼吸できる可能性があるからだ」というものです。放送されたのは、1989年8月23日のテレビ朝日系列「デイ・ウォッチ」の中で使われたCNNニュースにおいてでした。

副大統領のこの発言は、当局にすれば「誠に失態」であったに違いありません。何故ならNASAは、今回のESA(欧州宇宙機関)のマーズ・エクスプレス探査機の着陸船「ビーグル2」を失った原因について「思った以上に火星の大気が希薄で、パラシュートによるブレーキがきかなかったためだ」と、分析しているほどだからです。

極めて薄い大気という話は、水の存在がますます無理だという事に繋がりますが、「人間が呼吸できるほどの大気圧」と、現在公表されている常識としての「地球の100分の1ほどの大気圧」とは、大きな隔たりがあると言わざるを得ません。どちらが本当なのでしょう?

一方、ESAは「ビーグル2の通信途絶には、[ 謎の発光体 ]が絡んでいる」と言い出しています。Eミッション・マネジャーのマーク・シムズ博士は、「着陸するために切り離された直後に、ビーグル2は奇妙な未確認の光体を捕えていた」と発表しました。「着陸船の陰の部分にひとつと、さらにもう一個、別のところにも認められる」「さらに“連なった真珠”ともいえる、四個の明るい色彩の光体も写っている」と、暗に、これらが着陸船の航路を妨害したかもしれないと言いたそうな気配です。
これは、ロシアの火星探査機フォボス2号のときと同じように、火星のUFOに邪魔されたのでしょうか?そして「アメリカだけが秘密協定によって守られた」と言えるのでしょうか?

前回のコラムでも取り上げた事ですが、火星文明の存在が地球にとって「脅威」であるということになれば、真の情報は隔絶され、隠されて然るべきでしょう。それに加え「多くの火星人が、地球との交流を望んでいない」と言われていますので、実態の公表に関しては、結果的に両者とも消極的になっているのでしょう。
しかしヨーロッパでは、火星に関する実態封印の緘口令は多少緩和されるかもしれません。米国内ほど徹底出来ないため、封印されようとしたものが、どこかからこぼれ出てくるのでしょう。

米国航空宇宙局(NASA)とヨーロッパの宇宙科学者との見方の相違は、さまざまなところで見受けられ、そうしたデータ判断の乱れは、情報隠蔽の疑惑を深めることになります。たとえば今回の着陸船到着地点周囲の「土の粘り気」は、アメリカは「塩分のせい」といい、ヨーロッパは「湿気のせい」としました。

隠蔽疑惑の例は、'96年の火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーの時にもありました。この探査機は'97年に火星周回軌道に入ってましたが「空気抵抗で太陽パネルの付け根が曲がった」等の理由で、データが発表されたのは'99年からでしたが、それらの画像が発表され出した頃、別便で打ち上げられた着陸船、マーズ・ポーラー・ランダーの失踪事件が起こりました。

この着陸船は、火星の南極に着陸する予定でしたが、'99年12月3日に通信が途絶えたと発表されました。減速ロケットの早期停止が原因で、完全に破壊してしまったとの事ですが、不思議なことに「NIMAは着陸船が地表に下りているのを発見した」とCNNが伝えました。さらにスタンフォード宇宙通信研究所は「マーズ・ポーラー・ランダーからの電波を傍受した」と主張しました。

しかし、これに対して製造元のロッキード・マーチン社は「ロケットの早期停止はあり得ない」と否定し、さらに「上空からの写真で着陸船を判別することは無理」という疑惑が生じ出しましたので、結局「着陸船は電波を発信し続けている」というリークに信憑性が出てきたというわけです。

内部リークはNIMAからでした。この組織は、惑星探査情報をNASAやJPLが使う前段階で一手に傍受している機関と言われています。国防測量庁とCIAの写真センター・国防情報局・全米偵察庁・防衛空輸局などによって形成されたというのですが「National Imergary and Mpping Agency」とは何と訳せば良いのでしょう?不思議な名前の機関です。

それはともかく、ポーラー・ランダーがあったといわれる南極の地形は、今回のオポチュニティーが降りた砂漠地とは違い、大々的に発表できるようなところではなかったようです。
「南極の極冠が退氷した地形」と言ったのはヨーロッパの科学者でした。おそらく水が豊富に残っていたに違いありません。そこには、通称「アーサーの繁み」と言われる森林地帯が展開していました。



上の画像は、大幅に遅れて公表されたマーズ・グローバル・サーベイヤーのもので、あのアーサー・C・クラークが「これは森林だ!」と告発していましたが、何故かマスコミで取り上げられる事は、殆どありませんでした。仮にこの画像を「火星の画像です」と言わずに見せた場合、誰もが「植物」と言うのではないでしょうか。

これを「TVタックル」で公表した時、大槻教授は「ニラサワさんの髪の毛だよ」と戯けていましたが、仮にも科学者と称する方がそんな態度で良いのでしょうか?
現在まで私の知る限り、日本でこの画像について言及している科学者はいないと思いますが、いったい今の日本の惑星科学界はどうなっているのでしょう?

そして、今までいくつも起こった「探査機の消失」や「機械の故障」「発表の遅れ」などの中には「得られているデータが発表出来ない」という事も多々あると思われます。
今回の火星探査機の映像にも「カラー処理の誤魔化し」のようなものがいくつも見受けられます。それは「あってはいけないもの」が写っているから隠しているという事を、半ば逆に裏付けているかのようです。

前回のコラムでも取り上げましたが、他惑星の真相を隠す最大の理由に「進化した文明がそこにある」という事以外、いったい何が考えられるというのでしょうか?
もしそうだとすれば、われわれの未来には何が待っているのでしょう......?

NASA(米国航空宇宙局)は、1月25日に着陸した火星探査車2号機「オポチュニティー」による調査結果として、3月3日に重大発表を行いました。それは「火星表面に水が液体の状態で存在したことが裏付けられた」という内容でしたが、以前の探査計画の画像発表の時点で、誰が見ても火星表面に大量の水が流れた跡があることは分かっていましたから、「何を今さら?」という感は否めません。
しかし、岩石の組成分析の結果として「確定」はしたということで、生物存在の可能性を暗示することになるという意味では、学術的に「大いなる進歩」になったという事にもなるのでしょう。

今回の発表の中で、NASAの科学者は「問題は水が存在した時期だ」と述べていました。地表を写した画像を見ると、まるで「さっきまで水溜りだった」ような状況に見えます。もし水が大量にあったのが何万年も前ということになると、激しい砂嵐が舞っていると言われる火星の地表面に、水の痕跡などが長期間残るのでしょうか?この場合、現在でも時々霧が出たり雨が降ったりしていると考える方が自然です。

そうなると、火星の大気圧や大気組成が大きく問題になって来ますが、「温泉や死海の状態」という発言からも、世界がまだまだそんな事を言及するような状況にはないという事が伺えます。

韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やテレビで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、われわれ地球人の進化と能力の展望。