本当のことが言えない
UP : 2004.04.21
世界は、イラク人質事件や北朝鮮の拉致家族問題などで、波乱の中に右往左往し、ややもすれば「ベトナムの泥沼再来か」と危ぶむ気配すら漂っています。人々の判断も立場によってさまざまで、何が最善かを見極めることが困難な状況です。

その裏で、国家の利益や軍事・経済の権謀術数が働いていることは確ですが、その根源としての「陰の権力」を暴き出そうという活動もあちこちに見受けられますが、「宇宙的邪悪勢力」の存在も懸念されている一つかもしれません。これらについてはいずれ取り上げてみるつもりです。

今回は、現在密かに進行している一つの社会現象について触れてみたいと思います。

精神世界の専門出版社としてやって来ながら、最近特に実感することは、社会で特に秀でた発想で活躍している人々の中に、活動の発端になった「内的体験」を話せない人が数多く存在するということです。
教育・医療・経済など__これまでは既存の学問で事足りていた分野でも、自己の内的覚醒に促され、前世の存在を確信したり、他世界の生命体と語らうなどの体験によって、解答やヒントを得た人たちがそれを応用しているのですが、そのことを発言すると社会的な信用を損なう恐れがあるため、言うことが出来ずにいるのです。
別の言い方をすれば、現在の科学や学問体系では説明が出来ない領域から問題をクリアー出来た場合が多々あるにもかかわらず、その体験は現代常識の範疇から逸脱したものであるという理由により、疎外されてしまう傾向にあるというわけです。

現在の世界は精神的なわずらわしさを放置し、神や仏を科学の後ろに追いやり、総てを物理的に処理しようとしてきましたが、それが今まさに限界に来ていると思われます。
確かに、宗教が政治と絡みながら国家間の対立を生み出しているようでは、宗教そのものが問われるのも当然ですし、極端な反社会的行動で暴走する一部の集団に対して、理解が生まれるはずもありません。
しかし「救いの本質」はそれら一端の現象とは別に、厳然としてあるのです。

一人の人間としてこの空間の中に存在するとき、その内奥に点る一つの燈し火は、何物にも代えがたい「支え」として感じられるものがあり、そこに出発点があるはずですが、現在はその内的な燈し火をはっきり位置づける文化が、きれいに欠落しているように思われます。そこで最も望まれているのは、宗教形態としてではなく「精神的意識」として認識できる情操を生み出す事ではないでしょうか。

端的に醸し出されている現象を表現するなら『ETに癒された人たち』に記載されている実例に近いといえるでしょう。
「私の前世を見た」「神が語りかけて来た」「宇宙人がやってきた」...... 
それらは一方的に有りもしない事だと「オカルト」という言葉でくくられ、アンダー・グラウンドという名の闇の中に打ち捨てられてきた現象達に他なりません。
体験を持った人の中には、肉体面・経済面・精神面などで、多くの人が即座に救われるような驚異的能力によって人々に恩恵を施してもなお支障を感じ、その発端になった希有な体験を語ることが出来ないでいます。

教育・医療・ビジネス___これらは現代社会に密接にリンクする分野であり、学校や介護施設・企業などに直結していますから、いかがわしい宗教性や占い・神頼みみたいなものは「ご法度」ということになります。そこにあるものは何なのでしょう?霊界でしょうか?波動でしょうか?何であるにせよ、それらは人間の根源的な「何か」に繋がっているのです。

それを説明するために、心理学や宗教用語を多用する事よりも、ある「自覚の上で」認識することが重要です。
最初に「誰かに言われたから」とか「あの人、あの団体にすがりたい」ではなく、まず「同じ自覚、同じ源泉との共鳴が求める事が出来るか」ということでしょう。確かに、入門から向上のステップに努力や成長が求められるとしても、何事も自己の「気づき」から始まっていきます。
現在は、既存の常識による人生観では足りなくなって来ている事だけは確かでしょう。「魂の永遠性」や「肉体人間の一時性」を自覚する事などに裏打ちされる「生きがいの確立と応用」が求められるようになって来ています。

それらは、自覚し実践しただけ、自分に帰ってくることになり、さらに自分だけではなく、家族・社会そして世界に波及して行く事になると思います。より大きな自覚と責任を体験していくことによって、学ぶことが増えていくのでしょう。
そのようにして、改善されるべき新天地を形作り、コミュニケーションを宇宙的に拡大することで、閉ざされていた常識が次のステップに進むことが出来るようになるのです。
もしこれらの道が閉ざされたままであるならば、延々と「建設」から「破壊」という歴史が繰り返され、やがて資源の完全な枯渇に至る事になるでしょう。
未来が予言された通りにしかなれないのか、新天地がやってくるのかは、ひとえにこの「自覚」にかかっているように思われます。

しかし、今は社会のあらゆるところで、この戦いが行われているとも言えます。それらは「密かに」進行しており、まだ表面に現れることが出来ません。未熟なままに焦ると「事件」という方向に陥ってしまいます。

そんな実感がより強まって来ているような、この頃です。
韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やテレビで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、われわれ地球人の進化と能力の展望。