メキシコ空軍偵察機のUFO遭遇事件
UP : 2004.05.18
駐留する米軍による、イラク人捕虜虐待の写真が報道され、世界の人々のひんしゅくを買い、アメリカ政府の信用を落としていますが、最近、英国の新聞が「やらせ虐待写真」なるものを掲載した事が発覚しました。
一つの事実に、大衆が過剰反応しそうになとき、熱を冷やすために、こうしたちょっとした手法を使うのでしょう。

同じ手口が、UFO遭遇事件や、ミステリー・サークルの事実隠蔽に使われてきました。トリック映像を作り上げてメディアを通じて流すことにより、真実の報道内容を濁らせ、真実から大衆を遠ざけてしまうというやり方です。

さて今回メキシコで起きた。空軍のUFO遭遇事件についてはどうでしょうか?

この事件はメキシコ国防総省が「認可した」うえで発表したせいか、世界的にマスコミが一斉に取り上げ、日本でもすぐにTVニュースなどで映像が流れましたので、けっこう多くの人が知ることとなりました。しかし事件の詳細については、もうひとつ明確ではありません。一部には「気象現象だ」などと、お茶を濁すような報道も出ているようなので、ここでこの事件の実状について、検証してみたいと思います。


[1:事件全容 ]

事件が起きたのは、今年の3月5日・午後5時でした。
メキシコ空軍の「マーリンC26A」という小型の偵察機が、カンペチェ州南部を、麻薬の密輸機を監視するために飛び回っていたとき、一機のUFOに遭遇します。

以前はメキシコには空軍が存在せず、UFOが上空を飛び回る際、戦闘機の迎撃を恐れる必要がなかったので、UFO事件が他のどの国よりも多いと言われていました。もともとメキシコの民衆も軍当局も、UFO事件や宇宙人問題に寛大なところがあり、最近もあまりにUFO出現が多いので、飛行機の離着陸に支障が出ていると言われているほどです。

C26A偵察機は、この近辺で多発していた麻薬密輸用の貨物機を追跡するためのもので、レーダーや赤外線モードの高性能デジタルセンサー探知器を搭載していました。
興味深いのは、このUFO遭遇が肉眼による目視ではなく、いずれも機の下腹部に装着されていたレーダーと、赤外線デジタル探知機による映像によって確認されたものだったことです。

このとき機内では、まずオペレーターが、左前方に一つの「実体」があることを確認しました。公表された赤外線の映像では「発光している」ように映っていますが、結局肉眼では何も見ることは出来ませんでした。

「肉眼では見えず、レーダーに映っていた」というケースは、水産省の調査船「開洋丸」が遭遇した事件に似ています。この時も同じく夜間「レーダーで映し出された巨大な物体」そのものは肉眼で見ることは出来ず、レーダー上では調査船の周りをぐるぐると回るのが確認できましたが、最接近時には「ブゥン」という風圧のような音と、夜の闇の中に「かすかな赤色域」が見られ、物体の巨大さが実感されたということです。詳しくは『ニラサワさん。』(たま出版刊)をご覧ください。

間もなくパイロットはすぐに追跡を開始しましたが、なんと物体は「Uターンして」近付いて来ました。そしてさらに「1つだった物体が2つになった」ことが赤外線映像で分かりました。

通信記録に残った会話では、緊急事態発生の緊迫感がありますが、後の評価では操縦席クルーは、わりと落ち着いていたようです。
このとき赤外線センサーのオペレーションを担当していたバスケス中尉は、「間違いなく実在の物体であった」と、後のインタビューで述べています。また機長のカスタノン中佐は「向こうもわれわれが追跡していることに気付いていたはずだ」と発言しています。
この辺の搭乗員の実感は日航ジャンボ機による巨大UFO遭遇事件の寺内機長のインタビューのコメント(『ニラサワさん。』の中に詳細が紹介されています)とも似ています

それからがまた大変だったようで、近付いて来た物体の数は増していき、最後は「9個から11個」にもなり、偵察機の回りに近づいたかと思うと「円形の輪のように取り囲んだ」というのです。このような状況では、上記のクルーたちの証言にあるような認識に至るのも、もっともなことだと思います。

以上のような動きの後、UFOは引き揚げて行きました。
3500メートルの高度で繰り広げられた遭遇ドラマは、約30分間の出来事でした。


[2:発表、そして情報の流れ ]

基地に戻ったクルーは、ただちに全てにわたる詳細な報告を行いました。
メキシコ国防総省は注意深く、あらゆるデータ類を検証するとともに、乗組員からの詳細な聞き取りや当日の気象データの分析を始め、さまざまな検証評価を数週間にわたって実施しました。
その結果、この事件が「現実のものであった」ということを真剣に受け取り、これを公表するため、メキシコ国防長官であるガルシア司令官の認可のもと、メキシコのジャーナリストでUFO研究にも詳しいジェイム・モウサン氏に、4月20日に赤外線映像が手渡されました。

この際に軍当局では、これが「地球外生命体の乗り物だ」などという発言はせず「事実だけをありのまま公表するに留める」という条件が付けられたものと思われます。
その後、公表するTV局の選定が行われ、記者会見場の設定・各マスコミ媒体へのニュースリリースの準備の後、ようやく5月9日にTVニュースとして流されました。そして同月11日、モウサン氏の記者会見が実施されました。

今回の事件公表は、メキシコという国家の「独断専行」のように思われます。
映像がメキシコのTVニュースで流れた後、各国主要局の報道自体は確かにありましたが、適切な評価分析は付けられていません。日本でもニュース番組などが取り上げましたが、論評や分析は殆ど聞かれませんでした。いずれもぶっきらぼうで短時間の映像紹介で終わっています。

なかには「 [セントエルモの火]のような気象現象ではないか」という仮説を持ち出したところもあったようですが、メキシコ当局の分析では、太陽爆発による磁気嵐や、それらの気象現象の原因となる雷雲の発生などは無かったとされています。




事件のあらましは以上ですが、今回もまたうやむやなままになるのでしょうか。
しかし、メキシコから中南米にかけての頻繁なUFOがらみの事件や、最近発生している「フライング・ヒューマノイド遭遇事件」など、現象はより複雑になり、簡単に無視することは出来ません。
メキシコ政府としては、あまりにも頻繁な事件の背後にある、地球外知的生命体の乗り物としてのUFOの出現を訴えようとしているように思われます。

今回の事件の注目すべき特徴としては、UFOがスペクトルの可視光線領域以外でしか認識できなかったという事実でしょう。人間の肉眼が認識できるスペクトル波長帯は狭く、紫外線や赤外線領域、ましてそれより低波動のレーダーが感知するマイクロ波はまったく認識できません。ということは、地球人の肉眼の世界だけでは、今回の事件は発覚しなかったに違いありません。東京都内でも最近目撃事件が発生していますが、ややもすると、肉眼に捕えられないUFOが、地球の上空を頻繁に通過しているという可能性も考えられます。

それでは、このようなUFOの頻繁な飛来が、何のために行われているのか?
その背後にある事実を突き詰めて行くと、当然「私たちの社会の成り行き」に関係しているに違いありません。

私は東西冷戦の終結時期にロシアや東欧にかけて取材した際、極めて異例なほどの「UFO目撃事件の増加」を確認しました。現在の世界情勢に大きな影を落としているイラク戦争の現状に対し、多くのUFO群がそれを観察しているのは必然でしょう。
今回のイラク戦争の原因と言われる「オイル・エネルギー問題」が、UFOの動力である「ゼロポイント・エネルギー」に変わることによって解決するのであれば、これを促進すべきなのですが、この運動の重要人物、ニュー・エネルギー財団の代表者である、ユージン・マロフ博士が、5月14日に殺害されました。
1995年にスタートしたこの組織は、低温核融合をはじめ水素や水などのエネルギー利用を促進する非営利団体でしたが、つい昨年に寄付金の税控除資格を取得したというニュースが入ってきた矢先、その責任者が抹殺されてしまったようなのです。

これら新エネルギーの関係者は、うまく行きそうになると消されてしまいます。CSETIのグリア博士は金欠病で「自分の車も売る」羽目になっているそうで、今のところは無事です。今日でも、この地球上で最も重要な課題である「エネルギー革命」に対して巨大な抵抗勢力が暗躍し、UFOや宇宙人問題を隠蔽し続けているのがよく分かります。

UFO実在の真実の裏には、あまりにも巨大なテーマが横たわっているが故に、マスコミもアカデミズムも手が出ないのが現状なのです。
韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やTVで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、われわれ地球人の進化と能力の展望。