年末「TVタックル」裏話
UP : 2005.01.05
読者のみなさん、新年おめでとう御座います。
今年も宜しくお願いします。

ニュースなどでご存じのように、今回のインドネシア沖で起きた地震による、尋常ではない津波の被害は日増しに増大しており、これが日本の近海で起きたらどうなるのかと思うと、背筋が寒くなります。

大晦日は、上越新幹線が復旧したこともあり、実家の地震被害の見舞いとして、昨年の新潟県中越地震の被災地を見て来ましたが、今回の津波被害のような状況ほどでは無かったとはいえ、家の土台が崩れたり柱が歪んだりして、住めなくなっている状況になっている所では、結局は同じように、平穏な生活が一挙に吹き飛んでしまいます。その際、人々の心身にかかるストレスは健康に影響を及ぼし、第2の被害となっている言わざるを得ません。

ところで、年末はだいぶ仕事がかさみ、体調を崩したりして、コラムが進みませんでした。また前述のように、大晦日は地震被害の実家を見舞ったりして、自分の出演番組もじっくり見ることが出来ませんでした。

ただ、その中でも内容が前後していたり、私にとっての「重要なポイント」が、見事に抜け落ちたりしている事には気がつきましたので、今回は裏話も兼ねて、ここで「年末・超常現象バトル」の収録内容について、補足しておきたいと思います。

年末のタックル特番では「2012年問題」として、フォトン・ベルトやマヤ・カレンダーなどの予言をとり上げました。
ここで私は、以前コラムで述べたのと同様「ノストラダムスやケイシー、あるいは日月にせよ、予言はみな「6年遅れ」になっている」と主張しました。
これらは科学的にははっきりしていないかもしれませんが、太陽活動によると思われる「全地球的な」気象の変化と地殻変動の活発化は、だれの目にも明らかになってきているところから見れば、ひとつの象徴であり警告でもあると言えるでしょう。
心情的にはそれらの予言が外れるか、ずっと遅れることを願わずにはいられませんが、年末からのあの大津波のことなど考えますと、油断は禁物なのではないかと思っています。

UFOと宇宙人問題では、またもや「人間型だ」「グレー型だ」「みんな荒唐無稽だ」などと三つ巴になっていましたが、あれは文字通り「トーク・バトル」の番組ですから、編集でそのような形にしてしまったようです。実際はもう少し「地味な」議論があったのですが、本放送ではカットされていました。

さらに、メキシコ軍の偵察機が赤外線探知機で捕らえたUFO編隊の映像のコーナーでは、同じように肉眼で見えなくても、レーダーなどではっきりと確認された事件として『ニラサワさん』の本の中で紹介した、日本のUFO事件の中でも重要な、『海洋調査船「開洋丸」の巨大UFOとの遭遇事件』をとりあげ、比較しながら論議したんですが、これも本放送では綺麗にカットされています。

それから、ショッキングなあの墜落宇宙人の解剖映像ですが、すぐに私が人間型の金星人の写真を出して、ごたごたした形になってしまったかに見えますが、多少その前に説明が入っていました。その一つが番組の最後に移動してしまった「警視庁の鑑札」についてでした。

これは、最近当社より出版された「超脳霊視聴『忠臣蔵 松の廊下』(上)(下)」に出てくる霊能者「長谷川わか」がもらったものでした。
前回のコラムにあるように、江戸時代の過去透視だけでなく、宇宙人の生活についてもSRVを行なっていたわけで、その点を引き合いに出したのですが、不覚にも私が「碑文谷警察(ひもんやけいさつ)」を、「ひぶんや」といったものですから、タケシさんがずっこけて、それでバトル劇が完結してしまい、盛り上がりだけが番組の最後に貼り付けられてしまいました。
それでも、タケシさんは、この「忠臣蔵」透視に関心を示してくれましたが、もう後の祭りで、忠臣蔵はどこかにすっ飛んでしまいました。

放送された部分では、「単なる商売の許可証じゃないか」と反論されていますが、これが発行された太平洋戦争の時代は、思想や宗教的な統制が厳しく、ちょっとした神道的なものに関しても、憲兵や特攻に引っ張られるような時代で、この種の鑑札を「霊感の才能のみよって取得する」などということは不可能でした。その辺は、秋山眞人氏が補足してくれたのですが、これも本放送では出ていません。

私も同様に「五件の殺人事件を霊能で解決するというテストをクリアーしたから出された鑑札なのだ」という切り口で力説したのですが、まったく放送されませんでしたので、これについて詳しく説明したいと思います。

長谷川わかが警察署を訪れた時、あまりの透視力に疑いを持った目白警察署長が、盗聴の常習犯と勘違いし、半日留置して調べた結果、本当だということにに気づき、「貴女のは、見たい所で、だれがなにをしているのかが、そのまま見え、何を話しているかも聞くことができるんですね。何も手がかりのない状態から知ることができるわけですね・・・・恐ろしいね・・・・俺は心底驚いている」といったそうです。

その後、警視庁として占いや霊感業の鑑札発行の鑑定基準とするため、長谷川わかを呼び出し、テストしたという訳です。
それは実際に起こった事件で、犯行方法や犯人を推定するのが難しい犯罪事件五件を、霊視・霊聴だけで当てるという実地試験でした。
「犯罪の起こった場所・期日・事件内容・被害状況・殺害の方法・使用された凶器・犯人の人相・年齢・犯人の潜んでいる(または潜んでいた)場所など、を言い当てなさい」という課題でした。

当然。霊感の試験でしたから、一切のヒントは与えられず、当時警察が手がけていた重要事件の中でも、公開していないものが使われたのだそうです。
そこで長谷川わかは、その超能力というか霊感によって、「事件のすべてを詳細に確実に当てた」というのです。

試験をした警察側は「貴女の霊感というものは、実に見事なものだ。敬服する」と言い、その鑑札を下付する手続きを取ろうとたのですが、彼女はそれを断りました。
それでも警察側は「今後の鑑定基準としたいので、受理して欲しい」と頼んだ末、やっと長谷川わかに鑑札が発行されました。しかし、このようなしるしを与えられたのは、彼女以外にはいなかったと言われています。

彼女は師匠から「犯罪透視が世間に知れ渡ると、完全犯罪を目論む人々に狙われ、透視者が殺されてしまうことになるので(犯罪透視を)行ってはいけない」と言われ、その後の警察への協力は断っていたそうですが、度々刑事たちが変装してやって来たといいます。

そんな長谷川わかの能力のすごさは、今回出版の「超脳霊視聴『忠臣蔵 松の廊下』(上)(下)」に余すところなく表現されています。

ちなみに彼女が宇宙人の実態について透視した際、「私たちと同じように食事をし、生活しているのが見える」と述べています。今回放送の解剖ビデオ中で現れた、グレイタイプのような乳房のない生物ではないと透視しているわけです。

最後にひとつだけ言っておきたいのは、今回の特番で視聴者にショックを与えたかのような、宇宙人の解剖を撮影したと言われた映像は「まったくの作り物である」ということです。
制作上のオフレコなので詳しく言うことは遠慮しますが、ニュースソースからはっきりと断定しておきます。

しかもビデオの紹介前段にて、CSETIのデスクロージャープロジェクトによる、プレスセンターでの記者会見の様子が映し出され、あの会見で示されたビデオテープのように構成されていますが、あの解剖映像自体は、まったくの無関係な別物ですので注意してください。他にも核爆弾を開発した科学者なども出てきましたが、いくつかの事件やテーマがまぜこぜになってしまっているのです。

このような現在の状況では、UFOや宇宙人問題全体が一定の方向に追いやられている傾向があるようですが、専門的に真剣に取り上げられるべきものが、一般大衆に向けた演出が組まれてしまうというところに、悲哀を感じます。

ただ、私の立場としては「それでも言い続けなければならない」という気持ちしか無いことも確かです。

ということで、今年も変わらず頑張りますので、宜しくお願いします!
韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やTVで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、我々地球人の進化と能力の展望。