ミレニアム・サバイバル(3)
UP : 2005.02.17
関西テレビのロケで大阪へ出発する日の朝、机のわきに置いてあった紫色の水晶を手に取りました。

「どうせ野外の撮影だけで、難しい話はできないだろうけど、念のために持っていくか」という程度の気持ちでしたが、とりあえずそれをオレンジ色の布袋に入れ、上着のポケットにしまいました。これにはそれなりに理由もありました。

今回の収録でも、例のごとく番組ディレクターから「火星の住民票を見せてもらえませんか?」と頼まれたのですが、『ニラサワさん』を読んだ様子もない相手に「住民票」なるものの象徴的な意味を説明をする気が起きなかったので、「その類のものを持って行きますよ」と話していたのです。

私は今回、堺港に向かうロケ車の中でこの水晶を見せ、アメリカがSRVを使って宇宙人の活動を調査していたことについて話しました。その時カメラも回っていましたので、場合によってはその水晶の姿と説明の様子が見られるかもしれません。
(本収録の方は、とにかくハードスケジュールでした。大阪市内のテレビ局と堺市を2往復しつつ、野外ロケが深夜にまで及び、そのまま東京へ帰って来たという状況ですので、収録映像がどうやって編集されて番組になるのか、正直まったく分かりません。)

さて、その水晶の様子ですが、半分は紫色で残りの部分は白く、磨かれていない小さな原石で、十年以上前にある人より紹介された少女から「遠いところからテレポートで現れた石です」と言われ、プレゼントされたものでした。またその「遠いところ」については「宇宙から取り寄せたから、他の惑星のもの」という説明を受けました。

少女は10代後半くらいの外見で、紹介してくれた人の話では、超能力者としてアメリカの研究機関に呼ばれ、ある期間、調査や訓練を受けてきたということでした。
実はこの時の私は、TV局の依頼で、この少女の能力を検証するための映像を撮影しようとしていたのでした。丸一日かけて実験の様子を映像に納めましたが、際立った結果が無かったせいか、結局は放送されなかったと記憶しています。

では何故近頃になって、この水晶とそれをくれた少女の話をし始めたのか?
これにも理由がありました。

昨年末、エジプトや火星文明の研究者達を結びつける、ある情報源の存在について記された『火星+エジプト文明の建造者 [9神(ザ・ナイン)]との接触(コンタクト)』(徳間書店)という本が出版されたのですが、その中に注目すべき記述があったのです。

アメリカの情報機関などが絡み、スタンフォード研究所などで行われたユリ・ゲラーの超能力テストの調査や、チャネリング研究などでも有名なアンドリヤ・プハーリックが、1970年代に世界7カ国から7歳から10代までの少年少女達を集め、ニューヨーク州のファームで、潜在能力開発のために共同生活をさせ、リモート・ビューイングなどを行っていたというのです。

70年代というと、ちょうど日本ではユリ・ゲラーが来日し、超能力ブームが大いに盛り上がっていた頃ですが、当時は「超能力少年・少女」も相次いで出現し、それも非常に話題になっていました。
一部では「アメリカの研究所が、子供達の能力開発を秘密裏に行っていたのではないか?」というような噂もありましたが、それらは表ざたにはならず、公的機関が関わったという経緯がありながらも、未だに日の当たる科学の世界では、依然としてタブー視されています。

仮に、超能力が情報機関に利用されるような価値があるならば、それが悪意を持って使われたり、特定の勢力に利する方向に「こっそり」使われるということも十分考えられます。

一例として、核エネルギー技術やバイオ・テクノロジー、軍事衛星の高解像度カメラなど、最先端の技術がテロ集団や反社会的組織に渡ることの危険さは、誰もが認知していると思いますが、精神的能力には、もっと重大な変化を引き起こす可能性があるのです。それは、人間の価値観や思想などに多大な影響を与えるということです。

そうした状況について、前述の『9神(ザ・ナイン)』の著者は、過去から現代に至るまでの綿密な調査によって、一種の「超能力マフィア」とも呼べるような「ある系統を持った存在」に行き当たったのです。本書では、それが現代の社会にどのような影響を及ぼしているのかも読みとる事が出来ます。

また今日、チャネラーや心霊能力者が活躍しているニューエイジ・ムーブメントの源流については、200年ほど前に遡った前述の「ある系統」より、霊的・チャネリング的に、時空を越えてもたらされた影響であるという事も分かってきます。

そしてさらに注目すべきは、その系統「超能力マフィア」の中に登場する存在が「ピラミッド・テキスト(ピラミッド内部に書かれた記述)に書かれている神々」であることです。現在その最も象徴的な痕跡として、1ドル紙幣に印刷されているあの有名な象徴、ピラミッド頂上の"All Seeing Eye"=「全てを見通す神の目」があるというわけです。

訳者も気づいているようですが、現在のアメリカの世界戦略の中枢に「キリスト教原理主義」が色濃く影を落としつつ、理不尽な戦争に突き進んでいる背後に、SRV(遠隔透視)やチャネリングの情報を使って「宇宙的な創造神」を設置し、新しいムーブメントによる大衆意識を作り出し、それを政治的手段として使おうとしていると警告しています。つまり、世界の既成宗教が次第に形骸化し色あせていく中で、アメリカが独自の新しい世界宗教を形作ろうとしているというのです。

また著者は、チャネリング現象やSRVなどによる結果を否定するどころか、むしろそれらに伴うMIBなどの説明不可能な付随現象にも注目し、依然未解明であることも指摘しています。
その辺りから類推すれば、神智学協会系分派「Arcane School」の創立者、アリス・ベイリーの前に現れたと言われるクート・フーミ「光の兄弟」や「D.K.大師」などもその類の存在ということになるのかもしれません。そしてそれらは現在、宇宙人やMIBに姿を変えているのかもしれません。

そうした現象を引き寄せる能力やテクノロジーが、国際的な情報機関の背後で、ここ数十年の間、巨大なシンクタンクや思想宗教組織が関与しながら研究され、さらに行使もされているという指摘は、とても不気味に感じられます。

現実の世界のトレンドを見ても、少なくともそれらがベストセラー本や映画などに反映され、しっかりと流布されている事が分かります。しかも、それらにNASA(米国航空宇宙局)や国連などが関与し、ある時は協力さえしているという事実は、いったい何を意味しているのでしょうか?

おそらくこれは、人類の進化ともいえる、新しいビジョンの展開に迫られている時代に入っているということの現れなのでしょう。言い換えれば、あらかじめ地球人類の一部が「卓越した感覚」を獲得した時点から、さまざまな不可解な世界が見えて来るようになっていたというわけです。

先駆的な人々は、それら不可解な世界の存在について、まだ明解な実体として把握できず、「光りの存在」だの「魔界」だの「異次元世界」だのと表現しますが、本人の中でも決着が付かぬまま謎の闇に投げ込み、おしまいにしたいと思ったりすることも少なくないようです。
しかし、その影響で世界の多くの人々が(その存在に)気づき、救いを求めたり興味を感じたり、あるいは翻弄されるような状況が続いているのも確かです。

ではこの先、いったい何がどうなって行くのでしょうか?

著者は、最後の結論として「ある事」に気づいています。それはひとつの仮説なのですが、そう結論づける以外、調査した実態を説明することが出来ず、同時に謎を解くカギも存在しているということも感じているのでしょう。
当社の書籍ではありませんが、ご興味を持たれた方は、ご一読されて読み取って下さい。世界の人々の精神世界を巡る流れは、現在とても重要な局面を迎えていることがお解り頂けると思います。

次回も難しくなりますが、世界で起きている実態に即して、もう少し突っ込んで見通した話をしてみようと思います。
韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やTVで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、我々地球人の進化と能力の展望。