現代の工業技術を超える古代の知恵
UP : 2005.11.22

最近、『中島みゆきの精神世界』というタイトルの、弊社からの精神世界の本としては珍しく、ヒット曲の楽曲を扱った力作が出版されました。
営業セクションでは、書店では哲学などの精神世界コーナーに置くべきか、音楽アーティスト関係のコーナーに並べるべきか迷っていたようですが、結果的にどちらに置かれたものも良好な売れ行きのようで、今はほっとしています。

中島みゆきさんについては説明するまでも無いですが、シンガーソングライターとしてだけでなく、テレビ番組のテーマ曲なども作詞作曲され、広く活躍されています。特に、NHKで評判の高かった番組、「プロジェクトX」のテーマソング「地上の星」は、番組内容とマッチした力強く感動的な曲で、読者の皆さんの中でも多くの方がご存じかと思います。

さて、この「プロジェクトX」で今年3月に取り上げられたテーマが、「千年の秘技、たたら製鉄復活への炎」でした。

戦後、日本の製鉄業が急速に発展し、造船業などでも世界のトップの座に上り詰めた頃、剃刀などの鋼の製鉄の開発でどうしても上手く行かず、ヨーロッパ人などの硬い髭では刃こぼれを起こし、他国の製品に負けて輸出がダウンしたこともあり、大量の解雇者が出ました。

そのように日本の製鉄技術の信用が薄れていく中で甦ったのが、日本古来の製鉄技術である「たたら製鉄」でした。
日本刀などの材料となった玉鋼(たまはがね)は、純度99.9パーセントで、千年も錆びないといわれる世界最高の鋼でした。ところが終戦以降、手間がかかり過ぎるという理由で、高度成長期が終わる頃までには、その古来の製法が途切れてしまっていたのですが、この古来の製法が見直されていくことになりました。

しかし、すでにその製法を受け継ぐ人たちは、80〜90歳という高齢を迎えており、しかもこの技法は「一子相伝」という、継承者以外には教えないというしきたりだったものですから、実用化説得への道のりが大変だったようです。前述の番組では、担当者が吹雪の中を上半身裸で日参して説き伏せるなどの苦労によって、新日鉄・八幡製鉄・日立金属といった大会社が立ち直っていく様子が描かれていました。

増産と経済効率だけでは生み出せない、純度の高い金属でなければ通用しないということ自体皮肉なのですが、その製法が「古代からあった」ということは不思議です。
現代科学では作り出せないものが、縄文時代に使われていたとはどういうことなのでしょう。これらはオーパーツの仲間に入りそうです。宮崎の西都原博物館で見た、卑弥呼の時代の剣が、まだ光り輝いていた部分があったことを思い出します。

世界史においても、これまでは、鉄に手を加えて強度を高めた鋼は、鉄と軽戦車で西アジアを席巻したヒッタイト帝国時代、紀元前13世紀頃のものが最古とされてきました。
しかし最近のニュースでは、今年の5月に中近東文化センター(東京都三鷹市)が調査を進めていたトルコのマン・カレホユック遺跡で出土した鉄片が、アッシリア植民地時代の紀元前19世紀ころの鋼であることが判明した、と新聞などで報じられていました。

古代の伝承によれば、シュメール文明の初期、人類の文明の基礎が異星人によって地球にもたらされたといわれていますが、『日本史のタブーに挑戦した男』(たま出版)の巻末年表にある鹿島説によれば、それ以前の紀元前3,600年頃の中国南部に、優れた金属文明を持った「古代バンチェン王国」があったとされています。それが後に、アラビア海からシュメール・エジプトなど浸透していったというわけです。

しかし、バンチェン王国そのものがどこから発祥したか?と言うことになると、ジェームズ・チャチワードの『失われたムー大陸』(たま出版)では、紀元前一万年に太平洋に沈んだ、古代大陸にあった文明からということになります。いずれにしても、現在に残る遺跡から「史実」として追求できるのは、縄文時代以降になります。

日本における鉄器の使用に関し、今年「本当の人類史を明らかにする衝撃作」として出版された『教科書には絶対書かれない古代史の真相』(たま出版)によれば、「紀元前1500年ころには、南方から金属文化を伴う水田稲作農業が北九州に伝来していた」と書かれています。南方から入ってきた民族は、海洋民族であったフェニキア人と提携したオリエントのシュメールやヒッタイトの流れをもつ人々で、日本名ではスサノオノミコトや蘇我氏等に当たるとしています。
彼らは主として有明海から現在の佐賀県あたりに上陸し、北九州に定着した後に日本列島全体に広がって行ったというのです。

この鉄器と稲作流入の年代は、日本史の定説より1000年も遡るわけですが、2年ほど前、国立歴史民族博物館(千葉県佐倉市)の研究グループが、放射性炭素C14年代測定法によって、水田稲作の弥生時代が定説より700年早い、紀元前1000年頃だったとする説を発表したことが、当時新聞に報道されました。

水田をつくって大量に稲を刈り取り、脱穀するのに製鉄の道具が必要となった当時、それらの需要を賄うための最初の主要製鉄基地が、現在の大分県の国東半島・重藤に作られたというのです。また、製鉄のための材料である砂鉄や木炭などの燃料資源や、釜を作るための粘土は、一箇所では賄えなかったので、サブ工場が各地に建っていきました。
そのサブ工場で良質な「縄文鉄(けら)」を生産し、これを国東半島の基地へ転送し、そこで加工して「鍛鉄製品」に仕上げたといいます。

現在、砂鉄と木炭を用いて鉄を作る「たたら製鉄」の遺跡は、島根県飯石郡吉田村にあり、「鉄の歴史村」と呼ばれています。当地の「鉄の歴史博物館」には、その歴史と製法に関する資料が展示されています。
そこに残る製法こそ、前述の番組「プロジェクトX」で紹介されたものでした。

番組では製法の説明もされていましたが、三日三晩かけ、炉の粘土の硬さや炎の温度、砂鉄の入れ方と時間のタイミングの取り方、いずれをとっても、計算し尽くされたものがあり、人の肌と感触でそれが編み出されていく過程を見ると、偶然にそのような流れが発見されるとは思えません。縄文以前の人々がそのような製法をはじめから考え出すのは、至難の業でしょう。
やはり古代において高度な文化の元が宇宙からもたらされ、地球に与えられたような感じがしてなりません。今後もこのような古くからの技術の流れを辿ることにより、宇宙人が地球に残した足跡が見つけられるかもしれません。

韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やTVで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、我々地球人の進化と能力の展望。