宇宙的異文化との接触
UP : 2005.10.07
ニューメキシコのロズウェルにUFOが墜落して以来、地球外知的生命体の飛来は増加し、UFO問題は一挙に世界的なミステリージャンルの王座を獲得し、現在に至っていますが、現実的な観点からのUFO事件の実態については、一般世間からは見事に切り離されてしまっています。

前回まで紹介したメキシコにおけるコンタクト事件を見ても、何か絵空事でも聞かされているようだ、というのが、ほとんどの人々の抱く実感でしょう。
現に、前回紹介したビジャヌエバ氏自身でさえも、年月が過ぎるにつれて、体験者本人としての自分を受け入れられなくなってしまったほど、実際の事件と私たちの「常識」がかけ離れてしまっているのです。

そこで今回は、そのような地球社会の中で起きてきた「歴史の必然」を探るために、改めてUFO・地球外惑星文明問題の、隠された経緯を掘り起こしてみたいと思います。

終戦直後の1947年、アメリカの実業家・ケネス・アーノルド氏が自家用機で飛行中、9機の正体不明の飛行物体と遭遇した事件を契機に、「フライング・ソーサー=空飛ぶ円盤」という名称が生まれました。その同年、ニューメキシコ州のロズウェルに墜落した、未知の飛行物体とその乗員が回収されました。この金属物体が、現在のパソコンに使われている半導体技術などの元になっているという証言は、近年出てきたものでした。

さらに‘52年には、首都ワシントンの上空で繰り広げられた集中的なUFO出現がありました。その年は全米で、数ヶ月間に渡って目撃や遭遇事件などが起こりました。その2年後にはヨーロッパでも同様な規模の出現があり、100件以上の着陸事件や遭遇事件が起きています。

その翌年の‘55年には、ジュネーブ会議において四大国による「宇宙開発宣言」が発表され、我々人類が宇宙開発に乗り出すことになりました。

実はこの頃、多くの宇宙人たちが、ビジャヌエバ氏のような民間人だけでなく、各国政府関係者などにもにコンタクトを取り出していました。アメリカとヨーロッパへの集中的なUFO出現と併せて、宇宙人からの直接的な働きかけも行なわれていたというわけです。
当時の英国政界の重鎮であった、マウントバッテン卿の邸宅にUFOが着陸したのをはじめ、多くの要人が接触を受け、そこで与えられた助言によって、各国が宇宙開発に踏み切ったと言われています。

そしてその翌年の‘56年から、メキシコで地球の各国政府要人と宇宙人たちによる、会談が始められました。
前から言われていますが、メキシコという国は、経済的事情はともかく、まだあまり現代文明に汚染されていない国民性と、軍事面でも強固な障壁がないことから、宇宙からの飛来が容易だったという事情があったようです。

その「惑星間会議」ともいえる会談が、どこで行なわれたのか?ということですが、それを確かめたのは、幸いにも私の長年の友人である、古山晴久氏でした。

彼は35年ほど前にアメリカに渡った後、ごく最近まで仕事の傍ら、さまざまなUFOに関わる場所や人物を訪ね歩いています。そしてついに1988年、おそらく民間人としては世界で唯一の証人として、その場所に辿り着いたのでした。

なぜそれほどまでその地点に行くことが難しいのかというと、何しろ標高4000メートルに及ぶ高地の奥で、交通の便がほとんど閉ざされており、安易に遠方から予約できるような場所ではなかったのです。加えて、そこで宇宙的に重要なことが行なわれていたということを知る人が非常に限られていたからという事もありました。

ここで読者の皆さんは、なぜ古山氏が、世界の主要国の政府要人が参集し、そこにさまざまな惑星からやってきていた宇宙人が出席して開かれた会議場の場所を「知り得た」のか、と思われるでしょうが、それは、彼がその会議に「出席していた人物」の関係者と親しかったからだったのです。
その場所がどういう所だったかについての詳細は、こちらのリンクをご覧ください。

会議場の建物は‘60年ころに完成したようですが、最大の会議は’64年に開かれたといわれます。すでにこの時期、7年以上に渡って大小の会議が開かれ、状況が熟していたと思われますが、その直前、ジョン・F・ケネディー大統領の暗殺事件が起こりました。
一説には、ケネディー自身がこの宇宙の実情を公表することを考えていたと言われています。それが暗殺の本当の原因であったかどうかは、いまだ未知のままですが、現実の地球社会にとって、この事実が公表されるべきかどうかは、確かに大問題でした。

最後の大惑星会議の2年後、アメリカの軍のシンクタンクであるブルッキング研究所は、宇宙人との交流に関するレポートを発表しています。
それは、すでに宇宙開発で判明していた、月や火星などで見られる地球外生命体の活動の痕跡から、地球文明と宇宙のほかの文明が接触した場合の危険性を警告した内容になっています。その根拠は、世界の学会で進められていた「メタロウ(宇宙法)」からも明らかでした。詳しくは、コラムバックナンバーNo.41を参照してください。

こうした宇宙人情報が公開された場合に想定され得る事は、まず現代科学に携わる人々にとっての大きな脅威の出現、それらを中心にした数々の秩序の障害が発生すると共に、安易に宗教的な崇拝に走る大衆を収集することが困難になるだろうとしています。確かに、現在の世界情勢の中で、宗教的原理に根ざす自爆テロなどを見ると、その波及のほどは想像がつきます。

最近、アメリカ、カナダ、ブラジルなどで、UFO問題の実態を暴くために、「デスクロージャー(情報公開)」の運動が活発化していますが、結局、前述のような想定の危険性を解決しない限り、前に進むことは実質的に難しいでしょう。問題は、科学・宗教・経済・教育など、あらゆる面に計り知れない影響が出ることは必至です。

だからといって、この問題は完全に放置することも出来ないのです。
なぜならそれは、現在の私たちの文明が抱えている問題が、ここに来て限界点を迎えようとしているからです。

一つは人口の爆発、エネルギー資源の限界です。また自然環境の破壊の進行や、経済システムの矛盾の噴出でしょう。いわゆる「戦争経済」の問題です。

前回コラムで、ビジャヌエバ氏が私に異星文明の様子を言い表した、「ノー・ポリス、ノー・ホスピタル、ノー・マネー、ノー・ウォーズ、ノー・マリッジ」という状況は、地球文明の限界をクリアーした後の要素が含まれているように思われます。
また、宇宙からの飛来者たちが、地球人でも想定出来る「文明接触による危険性」を認識していない筈はありません。そのため、地球側が交流を「拒否」したことに対し、太陽系の他の惑星文明は、あえて「無理強い」をしなかったのですが、そのまま放置していたのでは、地球文明の歴史が早々に終わることを予期し、密かにそれを防ぐ手立てをしようと考えたと思われます。

そうはいっても、私たちがこの地球の未来を、単に他の文明に支えられたまま、半ば強制的に、極端に言えば「奴隷のようになって、天国の生活をする」ことに意味があるとは思えません。

これらのことを考えた場合、どうすればよいかについて、’64年に作成された、アメリカ国家安全保障局(NSA)の秘密報告書にそのヒントがあるようです。
報告書のタイトルは、「UFO仮説と人類生存問題」。そこでは先のメタロウの結論に反したものになっており、以下のような興味深い一文があります。

「二つの文明間の差異を平均化することによって、民族的な独自性を維持し、征服されることなく生き続ける、その見事な例が日本人である」

焼夷弾によるじゅうたん爆撃や、広島・長崎への原爆投下で、国土が凄惨な状況になりながら、進駐軍にへつらって生き延び、いつの間にか世界第2位の経済大国となり、かつての敵国アメリカと仲良くやっているという国は、今後も世界で例を見ないということになるかもしれません。
現在の宗派対立に明け暮れるイスラム教国や、度重なる内戦で国家の経済成長の目処すらおぼつかないアフリカ諸国などを見ていると、日本という国は、宇宙文明論的にも貴重な指標と言えるかもしれません。

もしかすると、我々日本人には、隠れた歴史のどこかに、宇宙文明にも適合し得るような、その神秘的なバランス感覚をもたらす「何か」があったのでしょうか?

また、米国家安全保障局(NSA) のレポートには、日本人の生き方が教える「生き残る方法」について、次のような内容が記されています。

1)他民族より劣っている自己の特質を、全面的かつ率直に認める。
2)他の文化に対して、すべての領域で全民族が完全に団結する。
3)できるだけ相手に有利な行動のみをとり、極度に自制する。
4)品行方正で、友好的な態度をとる。
5)相手の技術的・文化的強さと弱さのすべてを、可能な限り、全民族が一致して熱心に学び取る。
6)相手の優れた点は最大限取り入れ、迅速に実行に移す。

以上は情報自由化法のもと、アメリカ当局に対する訴訟によって、GSWという団体が入手した、膨大な量の「UFO関係文書」の中に含まれていたものです。
ちょっと極端な分析のように思われるところもありますが、歴史学的観点から冷静に見ると、確かにそうした傾向があるとは言えるでしょう。

現段階では、宇宙的な異文化が侵攻して来ているというわけでもないようなので、そこまで考える必要はないと思われるかもしれませんが、それは起きている事件が「隠蔽され続けている」からです。当局としては、そこまで真剣に隠さざるを得ない実情が存在しているのです。

すでに多くの宇宙人たちによって、物質的・精神的に、地球の文化は影響されて来ており、あとは「熱心に学び取り、最大限取り入れ、迅速に実行する」ことでしょう。それによって、ビジャヌエバが見てきた世界が現実になるかもしれません。

では、何を学ぶのか?何を取り入れるのか?何を実行するのか?
これについては、今後も注意深く検討していきたいと思います。

実際のところ、すでにそれらを取り入れた人たちもおりますし、コンピュータなどのように、もうとっくに使われているものもあるわけですので、現実的な問題として、まずは宇宙文明との関係を認識していかなければならないのです。
韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やTVで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、我々地球人の進化と能力の展望。