5月15日に発表された、英国国防省のUFO否定文書は、その権威の力は大きく、世界のマスコミが取り上げ、多くの研究者のブーイングにもかかわらず、雰囲気的には大衆の安心感を醸成したと言わざるを得ません。
しかし、文書発表の時点で、一方に2つの大きな問題がありました。
それは、私が週刊プレイボーイ取材(このコラムの同時期に出たニュースを参照)で述べた「英国人のハッキング事件」と、カナダなどで高まっている宇宙平和外交運動の波です。
ただこれらはいずれも、民間ベースからの告発でしたので、やはり一国の国防省の発表を前にしては世間に与える力関係で勝つことが出来ず、否定文書そのものは不備でお粗末だったのですが、報道の扱いなどでは歴然と差がついてしまいました。
しかし、成り行きによっては、その力関係を覆すことが出来るかもしれません。
今回は、昨年話題になったイギリスのハッカー、ブライトン・ゲイリー・マッキノンの事件から、その可能性についてとりあげようと思います。
ある日マッキノンは、アメリカ上層のコンピュータがセキュリティが安全でない状態のWINDOWSを使用している事を発見しました。そこで彼は貧弱なネット回線を使用しながら、2000年より約2年間にわたり、ジョンソン・スペースセンターの極秘宇宙開発ラボや、アメリカ海空軍のコンピュータシステムへ侵入していました。ところが、データのダウンロードに手間取り、そこから侵入を発見され逮捕されました。
この事件で、マッキノンは何をした事になったのでしょう?
アメリカ側は身柄の引渡しを要求していますが、それは「テロの犯人」という罪状になっています。アメリカでテロ犯人としての有罪判決を受ければ、禁固60年以上、175万ドル(約2億円)の罰金刑になるようで、この扱い方は尋常ではありません。
これに対して、イギリスの保守派国会議員が、ヨーロッパ連合の人権擁護法を盾にし、司法審査と法の改正を要求し、マッキノンの身柄を英国国内に留めています。
マッキノンは、「アメリカのNASAなどの政府機関の極秘資料室などのセキュリティーは甘く、管理者パスワードさえ設定されていなかったので、簡単に入り込めた」と語っていますが、この一介の英国青年のハッキング犯罪を巡る英国とアメリカの問題は、意外に大きな背景を暴きだす可能性があります。
アメリカ側が自分たちのセキュリティー管理のずさんさを棚に上げ、この青年の身柄に関し、過剰にヒステリックになっていることが、それを物語っているのではないでしょうか。
実はマッキノンの今回の行動の動機は、9.11テロに対する疑惑と、スティーブン・グレア博士率いる「ディスクロージャー・プロジェクト」(現在問題になっている「宇宙外交運動」の重要資料でもあります)が主催した、ワシントン・プレスクラブ記者会見での証言が発端になっています。
この記者会見で証言を行った人の中には、NASAの衛星写真分析室に勤務していた、デザイン・製図士のドナ・ハーレーという女性もいましたが、そこでは「UFOが写りこんでいた衛星写真を、エアーブラシで修正させられる仕事をした」と発言しており、マッキノンはハッキングの際、その「修正前」のUFO写真を探し回ったという訳です。
その上、マッキノンはマスコミの取材に対して
「核ミサイルの基地にUFOが出現しているという軍人の証言がある」とか、
「反重力のフリーエネルギー・テクノロジーを、回収したUFOから獲得している」
などと、事あるごとにディスクロージャー・プロジェクトからの内容を話すので、アメリカ当局としてはかなり困っていると推測されます。
挙句の果てには、「イギリスの貧しい大衆は、寒い冬にはそのエネルギーを使わなければ生きていけない」といった過激な発言にまで及び、「電子のロビンフッド」などとあだ名される始末です。
そして彼は、NASA映像のダウンロード後、保存するまでには行かなかったものの、非常に驚異的な秘密映像を見ているのですが、今回の事件では、
これがかなり重要な資料だと思わせるものです。
マッキノン本人は、その時見た映像について、次のように語っています。
・それは、一般的に私達がスペースシャトルから地球を眺めているような映像で、下の方にブルーの海面と白い雲の渦巻きが見え、丸い地球の地平線があった。
・そのラインに平行して、上空に葉巻型の宇宙船が浮いていた。いわゆる古典的な葉巻型で、とても地球のものとは思えないものだ。
・なぜ地球のものと思えないかというと、その表面が非常に滑らかに出来ており、リベットや継ぎ目のようなものも無かったからだ。
・しかしその葉巻型は、よくあるような(アダムスキー型の母船を意味しているようだ)両端がカットされたものではなく、先端は尖っていた。
上下左右には、ゴルフボールを半分にカットしたような「測地線ドーム」が付いていた。
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右:マッキノンの見た母船の想像図(作図韮澤)
左上:マッキノン 左下:アダムスキー母船の窓 |
この映像は何だったのでしょうか。ちなみに測地線ドームというのは、一般的なレーダー・ドームのようなもので、三角形などの平面板で覆われたドーム構造の事を示しているようです。
それにしても、なぜそのような葉巻型宇宙船が、衛星軌道上のシャトルなどの宇宙船から撮影され、NASAに「保存されて」いたのでしょう?それは彼が言うように、地球外生命体の宇宙船だったのでしょうか。
あるいは、レーダー・ドームをつけているということは、地球製なのでしょうか。
滑らかな表面の構造体を宇宙人から提供してもらって、地球のレーダーを取り付けてある、地球とETの共同使用の宇宙船なのでしょうか?
これに関し、マッキノンは興味深い発言をしています。
・地球製とは思えないこの宇宙船は、あるいは地球が開発した宇宙艦隊なのかもしれない。
というのは、この映像に、ある輸送物のリストが付いていたからだ。
・それは艦隊から艦隊へ移送する物資のリストで、それは海軍船には無い名前が付けられていた。
つまり地上の船ではなく、宇宙での構造物を意味しており、新しい宇宙軍の武装化編成と思われる。
このような発言を聞くと、あの『第3の選択』(たま出版刊)のテーゼが甦ってきます。つまり、「一般には知られていない、別の宇宙開発が行なわれている」ということです。或いは、『ニラサワさん。』(たま出版刊)でドイツ科学者の夫人が証言していたように、すでに宇宙人との共同作業が実施されているのかもしれません。
更には私自身がアメリカで聞いたように、火星との物資の交易が行なわれている可能性もあります。いずれにしても、アメリカの宇宙開発作戦当局にとって、マッキノンはかなりアブナイ存在になっていると言えるでしょう。
そしてここに来て、上記の内容をさらに裏付けるような驚異的映像の存在が明らかになってきました。これは今年後半にテレビで公表しようと思っています。
全ての真実は最高機密として処理されると言われてますから、一般にその全貌が権威筋から明らかにされることは無いはずです。しかし、このまま全く真実が明らかにされなければ、地球の明るい未来はもはや無いとも言えます。
常に流出する事柄は、ジクソーパズルの1ピースに過ぎません。
中には、前回のコラムで示したように、想像も出来ないようなトリックが組み込まれ、情報がかく乱されていることも少なくありません。
現在はそのような内容の見極めこそが最重要となっており、
すべての人が文字通り、情報戦争の只中にいると言えるでしょう。 |