敵対的UFO事件の経緯
UP : 2006.10.21

今回もひき続き、UFO問題の流れを追いつつ、その裏表を見極めようと思います。
前回のコラムを未読の方は、ご参照頂ければと思います。

近代に入ってからの宇宙人の流入は、いつ頃から起きていたのでしょうか?
上空で所謂「空飛ぶ円盤」と言われた物体が飛び回り、多くの人たちが目撃し出した当時は、人知れず地上に彼らが「居た」としても不思議ではありません。
そして、彼らが関心を示した問題のひとつは、宇宙開発に向けての技術的アプローチだったかもしれません。

現在の宇宙開発を取り仕切っているアメリカ航空宇宙局(NASA)の前身である、ジェット推進研究所(JPL)は、1936年2月に3人の宇宙科学者によって設立されたといわれています。
実は、 その責任者であったジョン・パーソンズ博士は、前回コラムで紹介したロサンゼルス対空砲火事件の年、研究所の爆破によって「謎の死」を遂げているのですが、残された家族はその直前に出入りしていたFBIを疑っていました。
この時、実際には何があったのでしょうか?真相は未だ闇に包まれています。

その後、UFO目撃事件が世界中で起き出し、「空飛ぶ円盤」の着陸事件と共に、初期のコンタクティーたちが遭遇体験の名乗りを上げることになりますが、その直前の1951年には、最初のUFO映画といわれる「地球が静止する日」が作られています。
この映画は、実際に翌年から全米でUFO出現が多発し、同年夏にはワシントン上空にUFOが出現する歴史的な事件が起きたわけですが、まさに、これを暗示しているかのような内容でした。
しかも、一説によると、この映画に係った関係者の1人は、宇宙人だったというのです!
この辺りの情報からも、すでに彼らの多くが、この地球社会で活動していた可能性があるのです。

このような状況の中で、'50年代に「宇宙開発宣言」が発せられると同時に、一般大衆に対しては、UFOと宇宙人問題の完全なカモフラージュの方針が決定されます。
一方、軍内部には、隠蔽指令として「陸海空三軍布告」が実施されました。
次の'60年代には、地球製のUFOを使った敵対的な擬似UFO事件が蔓延し始めました。
そして'70年代からは、軍事的情報収集手段としての透視技術である、SRV(サイエンティフィック・リモート・ビューイング)の研究が軌道に乗りだし、電磁的マインド・コントロールも実施され始めたものと考えられます。

ここまでの流れを追って来て気付く事は、一般的な良識概念から来る考え方です。
ブルッキング・レポートのように、確かに大衆のパニックを防ぐために、真相をカモフラージュする方策が考えられる一方、前向きなユートピア志向とも言える、進化した社会の構築を目指すべきだという選択も有るはずです。しかし現状から推察すれば、地球の為政者達は前者を取ったと思われます。
そして宇宙人側では、 今日までの経緯の中で、為政者の独善を容認しつつ、テクノロジーの供与などを密かに行なった勢力があるとも考えられます。

しかし、今までの歴史の流れを追ってみると、当然ユートピア改変志向の宇宙人勢力も活動している筈で、ここに宇宙人社会の多様性という側面が浮かび上がってくるのです。
現在の地球人類の価値観は、社会全体の大衆意識の総計によって成り立つわけですから、文明の価値観格差の克服には、強力な意識的変容がキーポイントになって来ますが、これだけでも非常に奥深いテーマですので、今回はこの問題は置いておきまして、いずれ取り上げていこうかと思います。

ここからは、現在地球上空に蔓延してしまっている、擬似UFO事件について考えてみます。

テキサス州でキャトル・ミューティレーションを調査していたトム・アダムスのレポートによれば、'75年夏から1年間に、全米で197件の「ミステリー・ヘリコプター」を伴った家畜解体虐殺事件がありました。動物の死骸は、「まるで空中から落とされたようだった」と報告されています。
この年は事件が非常に集中しており、司法省が動いて調査も行なわれましたが、FBIが絡んでから、調査の結論がうやむやになってしまった事が分かっています。

確かに、この家畜虐殺事件には軍当局が絡んでいるのですが、一般的に表立って動いている軍とは異なっていると考えられます。
例えば、'68年のベトナム戦争当時、南北非武装地帯上空で、正体不明のミステリー・ヘリコプターが、毎晩何10機も補足されていたということが、当時のニューズウィーク誌に出ています。この正体不明機はアメリカ軍によって打ち落とされていますが、残骸が出てきませんでした。

そして、黒ヘリと黒服男に悩まされた'79年の「アンドレアッソン事件」、また翌年には、黒ヘリに取り囲まれたUFOのような巨大怪物体に遭遇し、放射能障害のような大火傷と脱毛に悩んだ「ベティ・キャッシュ事件」が起きましたが、近頃この類のもっと大掛かりな事件が南米で起きていた事が分かりました。

その事件は、'77年にアマゾンの近くで、町の住人全員が避難してしまったという事実があり、それを調査した軍のチームの責任者が、最近になってテレビでその内容を告発して明らかになりました。ここから分かるのは、敵意のある空中現象を起こしている、正規軍とはまったく無関係な秘密の軍隊が存在しているということです。それも未知の航空機を駆使し、擬似UFOを伴い、目的の分からない事件を起こしているということなのです。
それらの事件では全て、反重力機関の使用・レーザーガンの様な武器の痕跡・電磁ビームによる精神的コントロールなど、軍の最先端テクノロジーが絡んでいるのですが、既存のUFO現象を構成している要素のあらかたが含まれるので、問題の見極めがますます難しくなってくるわけです。

この類の擬似UFO事件の例としては、有名な「レンドルシャム事件」と、「ガルフブリーズ事件」が挙げられると思います。
'80年代に起きたこの2つの事件は、いずれも映像や音声資料を携えて登場しています。
特に「レンドルシャム事件」は、英国の米軍基地で起きたというショッキングな事件なのですが、一応は漏洩の形を取りながら、「勇気ある暴露」として事件関係者が現れ、日本にもやって来ました。しかしながら、公表された内容は「よく出来すぎている」感じがして仕方がありませんでした。
英語版の事件の詳細はこちらです。
レンドルシャム事件当事者の日本での記者会見

当時、テレビ特番のために当事者の元軍人が来日し、記者会見が行われた際には、私も出席しましたが、その当時もすでに軍絡みの漏洩事件というのは有り得ないと思えましたし、もし出てくるとすれば、情報操作に乗せられた材料だと考えた方がいいと思いました。
そのとき提示された資料は、「奇妙な形の」UFOのスケッチ画と、現場で兵士達が騒ぎ立てる音声だけで、遭遇の内容は幻覚が含まれるているかのような、どこか曖昧な印象のするものでした。

また'89年に現れた「MJ12(マジェスティク12)」は、世界中のUFOフリークを熱狂の渦に巻き込みましたが、あの事件こそが、その最たる典型例だったと思います。

当時私は、研究者のウイリアム・クーパー氏等からMJ12に関わる宇宙人と軍当局の多くの資料をもらい、出版もしましたが、その事に気付いてからは公表をストップしました。
国内からもその筋の情報が出てきましたが、大半は書庫に眠ったままにしています。今改めて思い返しても、MJ12はマニアも騙す傑作エピソードで、真偽玉石入り混じった玉虫色の有毒物質と言えるでしょう。
最近のクーパー氏の葬儀には、それらの裏情報が漏れないようにという為か、大勢の黒服の男達が参集していたとのことでした。

マスコミ報道や教育の場において、巧妙に情報操作をされ、擬似UFOとネガティブなアブダクションケースにつながるミステリアスな幻覚が含まれる事件が起こされれば、一般大衆は、判別も付かずに混沌の中に放置されてしまいます。

最近の防衛技術のレポート等を調べると、プラズマや電磁ビームを使った精神のコントロール兵器が登場しています。
たとえば、軍の防衛技術の専門家デビット・ハンブリング氏によれば、

「あなたの神経系を乗っ取ることができる軍のプロジェクトが存在している。それは群集制御に高周波放射を使用するもので、目標を行動不能にし、合成イメージを創出するパルスエネルギー発射によって、思考の行動命令を投射できる」

というのです。
つまり短波長のレーザーエネルギーを使い、物理的感覚を離れて起こしてしまう技術で、ある人間に1キロ以上離れていても、作用させられるということなのです。
また、律動的電磁波が血液の中の血漿に送られると、麻痺や不快感を起こし、場合によっては気絶させることができると解説されています。
精神コントロール兵器のイメージ

この現象は、イラク戦争でもその被害が報告されています。この「非殺傷兵器」に関する研究が、UFOテクノロジーを扱っていたロスアラモスで行なわれているのは、研究者達の間ではよく知られています。
さらに、 複合的にこれらのシステムに、前述の透視技術「SRV」が組み込まれることによって、さらに大規模で複雑なコントロールが可能になってくると考えられます。
これらの研究は「殺人鬼製造」などとも言われ、けっこう古くから行なわれているようですが、つい最近も、磁場による視覚の混乱や脳の乗っ取りなどについてのレポートが出されています。

以前私がアメリカへ取材に行った際、制作されるSF映画の中には、当局がその内容を決定したものがあることを知らされました。
その時に発注された映画のストーリーには、SRVの透視内容まで含まれるよう指示されていたのです。このような事からも、SRVによって得られた内容というのは、情報操作に利用される場合があるということになります。

しかしながらSRVには、正確な透視能力が発揮される事もある反面、場合によっては、事実から離れた内容を捉えてしまう事も充分考えられ、間違ったエイリアン情報が、SRVによって作られ、それが大衆操作に使われている疑いも濃厚なのです。

以上のような経緯からも、おそらく'70年代以降、「まともな宇宙人」は地球に入れなくなってしまったのかも知れません。現在は「地球防衛軍」が確立され、月軌道内の地球圏に、宇宙からの侵入が困難になっているような現状も考えられます。 たとえ入れたとしても、レーダーに映らないようにするか、視覚的に透明になり、大気圏を出入りせざるを得ないのでしょう。
このような事態について、昨年の「宇宙平和外交運動」では、カナダの元国防大臣ポール・ヘイラーが「宇宙戦争の危険」として警告していたのでしょう。

そして社会に流れる一般的なUFO情報を見ると、'50〜'60年代に起きていた「人間味あふれる」着陸コンタクト事件は、80年代以降には殆ど姿を消し、その代わりとして、グレイに象徴されるような、人間離れした外見の気味の悪い宇宙人ばかりが登場する、擬似的な遭遇事件が定着しました。
現在進行中のアメリカのUFO問題ディスクロージャー計画を主催する、CSETIのスティーブン・グレア博士は、
「グレイ種の事件は地球製であり、情報操作のために作り上げられたものだ」
と、はっきり述べています。

一つの仮定ですが、もしも偽装UFO事件を起こす目的が、地球の文明を「保護」するためのものならば、これを暴くという行為は、あらゆる手段によって防止されることでしょう。しかし、逆にそのような妨害に遭った事象が真実であることにもなるのです。

数年前、グレア博士は、ディスクロージャー計画が行ったワシントンプレスクラブで行われた記者会見で、アポロ11号のアームストロング船長が、最初に月に降り立った時、月面で皿のような型の宇宙船に取り囲まれていたという事を証言しようとしていましたが、取りやめられました。
最近のマスコミ上でグレア博士は、 アームストロング船長の家族が殺害される恐れがあったからと発言しています。

真実を叫ぶことが今の地球文明を「破壊」するのであれば、真実とは何でしょう?
隠蔽勢力が守ろうとしている「文明」には、独善的な軍産複合体の利益の保護が含まれているという事は無いのでしょうか?
今日、当局が守ろうとしている地球文明があらゆる面で限界に来ているとすれば、その場のニセ情報に流され、やがては自滅する結末が見えて来ます。今は一刻も早く自己を正して、流入する外界の価値観や情報を、積極的に検証していく必要があるのです。

次回からはさらなる深層の一端、「排除されてしまったかもしれない事件」を取り上げようと思います。

韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やTVで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、我々地球人の進化と能力の展望。