宇宙人正体追求の危うさ
UP : 2006.03.26

昨年まで、宇宙平和外交運動の高まりと共に、世界各地に出現していたUFO艦隊に、至福千年の前触れを感じていましたが、ここに来て一気に情報操作の攻勢が始まったようです。

「UFOと宇宙人問題は情報戦争の渦中にある」という私の持論は、いよいよ現実のものとなって来たと言えます。今後、テレビなどでUFO問題が取り上げられる場合、当局や軍のプロパガンダが展開されてしまうでしょう。

今月になってから、「宇宙平和外交」のネットワークのからの情報の中に、多くの漏洩情報らしきものが出て来ているのですが、それはCSETIなどが集めた証言に酷似してものの、邪悪さが含まれている、「いつもの」巧妙なディスインフォメーションであることが見え見えなものばかりでした。
また同時に、それらの情報は、「宇宙から侵略されたことはなく、むしろ好戦的な地球をけん制している」という、CSETI代表者であるスティーブン・グレア博士の主張にも反していて、真実の漏洩情報が巧に隠されて行こうとしています。

そこで今回は、噴き出して来ている情報操作の流れを追ってみることにします。

コラムのno75で、宇宙平和外交運動のネットワークについて触れましたが、それらの中には政府や情報筋からの漏洩サイトがさまざまな形で含まれていました。
その有力なサイトの一つで、最近、米国軍人による証言が多量に出始めていました。

5年ほど前、CSETIが自主的な形で当局の証言者から情報を集めていた後、さまざまなサイトでクローズアップされてきたのは、戦時中に起きたロスアンゼルス上空に現れたUFOに対する対空砲火事件、さらに戦後直後に開発されたV-2ロケットの開発実験で、さかんにUFOが出現し、青いビームを発射して打ち上げを失敗させ、ミサイル核弾頭化を邪魔したという事件でした。

更にここに来て、どういうわけか、この日本を舞台にしたUFO事件が追い討ちをかけて来ています。その一つは青森県の三沢基地を巡るUFOとの戦闘(?)事件です。

戦後間もなく、トルーマン大統領は、ロスアンゼルス事件以来、UFO迎撃命令を出していたとされ、三沢上空に現れていたUFOに対しても、F-106戦闘機に赤外線追撃ミサイルを装備し、発射したことがあったといいます。これに対し、UFOから青いビームが発射され、ミサイルは事前に破壊されたというのです。

さらに極めつけは、一人の米海軍人が沖縄の嘉手納基地に所属していた際、機密資料類の中に、猫目の爬虫類型宇宙人の写真を見たというものです。
いずれも多くの、猫目のグレー型宇宙人の死体写真やスケッチ、軍事基地の写真、UFOの図が書かれた公文書の写しなどがつけられていました。そして、資料のあちこちには、「MJ・・・」「グレー」「イーバ」「ノルディック」「レプテレアン」などの言葉が見受けられました。
中でも最も問題なのは、これらの情報の中に、巧妙にSRV(透視)のデータが絡んでくることです。

宇宙平和外交運動の盛り上がりは、米国を中心とする宇宙防衛協定推進を牽制した「宇宙戦争の危機」を警告した、カナダの元国防大臣のアピール宣言が発端でした。

確かにこのスタートは、宇宙とUFO問題の情報公開に向けた、希望にあふれる前提でしたが、同時に、当局のプロパガンダが容易に入り込める状況であったと言えるでしょう。

しかし、この問題で最も必要とされている、UFO現象の背後にある地球外知的生命体=宇宙人の正体を見極めていく過程で、研究者たちの判断基準は非常に曖昧なもので、漏洩を装った疑似情報で、事態がどうにでもなってしまう危うさがあったことは否めません。

私が1992年にアメリカ東海岸に出張で出向いた際、当時の米国副大統領が映画関係者に、その後のSF大作の作品制作をオーダーしているという話を聞いたときのことを思い出します。この時の事情は、弊社から出版されている『ニラサワさん』にも出ていますが、今回はさらに詳しい内容を公表することにいたします。

私は当時、情報操作のために、政府が闇の予算を使って映画製作を発注しているという事実を、初めて実感として知ることになったわけです。最初は半信半疑でしたが、その後、その発注先と言われていたフォックスが、映画とテレビで『ロズウェル』を作り、『インデペンデスデイ』を発表したことで、その時得た情報が正しかったことを認識しました。
これらは娯楽作品といえばそれまでですが、大衆には地球外からの来訪者に対するイメージ形成に潜在的な影響を与えています。

実は、これらの映画製作が発注された時、作るべき映画の内容についても、詳しく「指示」があったのです。
この内容についても、当時としては、私自身なぜそのような内容にするのか判然としないところがありましたし、作られた映画の中には、私が聞いたような内容が入れられていなかったので、これまで公表を控えていました。

ですが、ここに来て、当時情報操作として何故そのテーマが使われたのか、分かってきたような気がするのです。

あの時、当局が映画会社に発注したシナリオは、「RV(リモートビューイング)という最新の情報収集技術によって、月面の地下に宇宙人の前線基地が発見され、やがて彼らが地球に侵入して来る。」という内容でした。
何故、RVが絡んだストーリーの映画が未だに出来ていないのかは分かりませんが、これまで「宇宙人による地球侵略」の映画だけはいくつも作られてきました。

上記のシナリオの中で重要なポイントは、このRV=透視能力というものが、情報を得る道具として使われる所です。これから類推出来ることは、前回のコラムでも報告した、催眠による映像投射のような技術がRV方面に応用され、被誘拐者に対してどのようなストーリーでも植え付ける事が出来るようになったという可能性です。

実際、最近出てきている軍事関連の宇宙人情報には、スタンフォード研究所で始められた、RVの開発についても添付されており、それによって出て来た、グレイ種族の情報が取り上げられています。これらはまさしく、近年圧倒的に増加したアブダクション症候群のデータをベースにしているところが見受けられます。そのような流れから、今やRV技術は、宇宙人情報操作に深く関わっていると思われるのです。

記憶の消失や奇怪なアブダクション事件が主流となる以前のケースでは、はっきりとした意識の元で、人間と殆ど同じ容姿の宇宙人との遭遇事件が基本でした。
昨年11月の「ハスラー」誌ではグレア氏のインタビューが掲載されていましたが、その中で氏は「モルモン教法人は、宇宙人情報に非常に関心を持っている」という意味の発言をしています。以前このルートから出て来たロズウェル事件の情報では、「回収された宇宙人は、日本人と同じモンゴロイドの有色人種だった」とされています。

今進んでいる宇宙平和外交運動では、「宇宙人の正体の見極め」こそが最も重要な鍵だと思われますが、そのためにはまず、次々に漏洩されて来る好戦的なUFO・宇宙人関係の情報を鵜呑みにすることなく、まずは地球環境やエネルギー問題、社会平和との関係を見定めてから、より冷静に考えていく必要があると思います。

韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やTVで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、我々地球人の進化と能力の展望。