オカルト・テクノロジー
UP : 2010.03.02
年が明けて早くも3月、2010年初めのコラムになりますが、今回はオカルト・テクノロジーをめぐる現状について、とりあげてみたいと思います。

最近の宇宙開発の真相を追求した書籍や、UFOの情報開示を追求する報告の中に、非常に不可解な要素があることに気付かれた方は少なくないでしょう。

一般に知られている最先端テクノロジーといえば、ミクロ粒子からマクロ宇宙におよぶ可視化や、探査ロケットの打ち上げ技術などがあげられますが、いわゆる「オカルト・テクノロジー」とは、既存の科学理論の枠を越えた現象──たとえば反重力とか物質の瞬間移動、SRV(科学的遠隔透視)を映像化するホログラフィー投射、霊界ラジオのような超常的交信──といったような、文字通り「オカルト的」とくくられる分野を含んだ技術の事です。

何故この技術が注目されてきたかというと、近年目撃されているUFOには、かつてのような金属的な「宇宙船らしさ」が希薄なだけでなく、奇妙な不定形に変化するパターンが見られたり、アブダクション(誘拐)事件の中で、精神的体験の中から現象化しているかの様な報告が増えてきているからです。要するにこれらの出来事に、地球上のオカルト技術が関わっているのではないか?というわけです。

最近では、「宇宙開発組織の中で魔術的な儀式が行われている」といった怪情報まで出てきていますが、濃厚なオカルト要素が最先端科学と同居しているような事態を不可解に感じる方もいらっしゃると思います。その背後には何があるのでしょうか?

昨今のような傾向は、オカルト・超能力を駆使する一部の勢力が、宇宙開発や世界政治を支配する組織の中に君臨し、影響を与えている事を示しています。
その勢力の駆使する分野である「精神的な法則」自体は、れっきとした自然のものであり、善悪に分ける事は出来ませんが、度々報告される現象は、自然の法則・摂理を「誤用」していると言わざるを得ないものばかりです。

そのような現状に加え、事件に関わる宇宙勢力の存在や、現実的な地球への流入も、UFO事件史の中から見えてきますが、異星人は科学的にも精神的にも私たちより進んでおりますので、そちらを検証する前に、まず地球上での諸問題を理解しておく必要があります。それらに関わる実情を踏まえてからでないと、全体像を見据えることが難しいのです。


醸し出される疑似宇宙観


地球人の超常的能力の研究は、40年ほど前から軍事利用目的として、あまり表面に出ない形で、アメリカやロシアで始められました。アメリカでは、インゴ・スワンなど優れた能力者を抱えたスタンフォード研究所で、時空を超えた感知能力の開発がおこなわれ、近年話題になったSRV(科学的遠隔透視=距離と時間を超越した透視能力のシステム)の手法を確立させました。

近年、「FBI超能力捜査官」という通称で、テレビ特番で活躍した人たちの中には、それらの実戦部隊に参加していた人もいます。また民間でも、体外離脱や明晰夢といった、いわゆる「変性意識状態」において、透視のような超常体験をさせるグループも出てきました。

過去の番組の中で、能力者は行方不明者の捜索や、学校で卒業生が埋めて行方不明になてしまったタイムカプセルを探し当てたこともありましたが、タネも仕掛けも無い能力であるが故に、100%確実ということはありません。実際に現地まで赴き、長時間の撮影でプレッシャーを受ける事で不安定となり、目的を捉えられなくなる事もあります。

もともとSRVの目的は、敵国の軍事基地などを透視する情報収集の手段として使われたほか、惑星や月などの生命・文明の探査だったようで、火星に生命体の存在を確認したとか、地球近傍の宇宙空間を航行するUFOに搭乗していた宇宙人の存在だけでなく、搭乗者の思考まで知覚したという報告が出ています。
しかし、SRVで得られたすべての情報が正確かどうかは、確認することが出来ません。テレビ出演の際のように、情報が歪められたり、誤認する可能性もあるからです。

同じことが、民間グループや個人によって得られるイメージについても考えられます。

まず注目すべき事は、チャネリングのはじめによく語られる、「ハイアー・セルフ」や「宇宙存在」といったような言葉で象徴される者の正体が何であるのか?またその次の段階でよく出てくる「次元」といった世界観は、実際どこまで真実性があるのか?です。

振り返ってみると、これらの体験者の話は、前世紀に風靡した心霊学の世界観にとても似ています。「地下世界」や「階層的指導者」といった言葉にも重複した印象がありますが、 体験者が受信した精神的ビジョンと現実世界との関係は、どのように捉えるべきなのでしょうか?

その一つの見方として、釈迦やイエスなどが修行中、様々な存在と遭遇したように、人間の精神の中にある「迷い」の象徴、あるいはその想念の具象化と考えることが出来ます。
実際に、地球にやってきた宇宙人の実情を調べてみると、体験者がそうした能力によって感知したとしても、それが事実であるかどうかは、進化した宇宙人といえども現地に赴いて、状況を確認するまで結論を出さないと言われています。

以上の事から、 いわゆる「精神的情報」や「超常的体験」には、主観や願望だけでなく「他者からのイメージ」が混入する事も十分考えられるわけです。場合によっては、何らかの情報源が放つ創作イメージということも考えられます。

このような背景から作り出される不明瞭な擬似的宇宙人像は、真実の宇宙情報を歪曲する目的で多方面で利用されています。
たとえば以前、SRV情報に基づいた宇宙人像を、米当局がSF映画製作に使おうとしたことがありました。それは敵対的な地球人誘拐をひき起こしているとした、月面に生息するグレイ系宇宙人像の流布でした。これは過去の自著でも記したように、実際にアメリカ情報筋から直接聞いた事で、情報操作の一環として行われようとしたのです。

こうしたエンターテイメント工作などにより、歪められた宇宙像を地球人の脳裏に固定化し、ドラマ事件を演出するマインドコントロールのシナリオが進展することによって、宇宙社会における「地球の孤立」が、より鮮明になっていくことになります。


宇宙戦争がワナとして仕掛けられる

そのような中、地球人類は、種としての進化の方向性について問われることになります。
なぜなら、現状の精神的情報に対する「未熟さ」からもたらされる擬似的な宇宙観によって、今後ますます混乱に陥る事は避けられないからです。

この問題を解決するには、幻視情報としてのイメージをしっかりと識別し、現実の宇宙情報を明確にする事しかありませんが、実はここに近隣の惑星群との関係をめぐる事情があるといわれています。これについては、後々検証していきます。

今回ふれたい事は、宇宙情報の錯綜に連動する形で、軍事防衛といった「地球の都合」によって形成される「宇宙戦争」のイメージです。これについても、擬似宇宙観構築の一環として大いに注意する必要があります。
近代史はこの動きに関与しており、今日もなおその状況が反映されています。それを理解するために、ここで次の二つの公式発言をとりあげたいと思います。

@ カナダの元国防大臣、ポール・ヘリア (数年前から様々な講演会で発言)

「月や地球近傍のUFOに対し、単に防衛を口実とする敵対行為を慎み、平和裏に交流するべきだ」

A アメリカの宇宙開発の父、ウエルナー・フォン・ブラウン

「戦争経済で維持されてきた勢力は、冷戦時にはロシア、その後は国際テロや第三世界に対して、やがては小惑星や架空の敵として、宇宙人に戦争を仕掛けていくだろう」

いずれも「情報公開」や、それに連動する「宇宙平和外交」の活動(コラム75参照)で出てきた発言です。

フォン・ブラウンの予告通り、冷戦が終わったのち、イスラム過激派によるテロ組織によって起こされたとされる、あの衝撃的な9.11同時多発テロが発生しました。
これによってイラク戦争を誘発し、以後現在まで、中東はアフガンやパキスタンでの紛争を引きずっていますが、これを世界的紛争にもっていくには無理があります。そうすると、いよいよ宇宙人との戦争に向かうようになるかもしれません。


地球防衛軍による月面攻撃!?

この前触れと考えられるのが、現在世界中で多発しているオカルト・テクノロジーを使っているとみられる「変形UFO」の出現です。

もともとUFOの形態は多様とはいえ、最近はフライング・ヒューマノイドに象徴されるように、円盤型の航空機とは全く違う、まるで空間に出現する3Dグラフィックのような色と形をした物体が出現し、巨大なイオンクラフトまがいの形態も報告されています。

最近封切られている映画などを見ると、この技術で生起する現象を宇宙からの脅威だとする方向性が感じられます。CSETI代表のシティーブン・グリア氏は、そのために大規模な闇予算が投入された未知の軍事組織が動いているという証言を多数提示し、現在起きているUFO事件の90パーセントはそれらの部隊によって起こされているとみています。(コラム9等参照)

これらの組織は、「人類とは異質で不可解な」宇宙生物の出現を演出しています。それは多くの人から見て違和感のある状態でなければならないでしょう。気味の悪さと敵対性を誘発する事件が地上と天空で起こされ、「これを防ぐには地球防衛が必要性だ!」と、大衆が潜在的に感じるようになる状況を作り出さなければなりません。多くの方がご存じかと思いますが、そのような要素を含んだエンターテイメント作品がいくつも作られています。

これで仕立てられた宇宙人像は、現在の軍事体制を維持させている敵対的暴力集団であるテロの犯人像とそっくりです。この人心を操る恐怖のイメージ戦略は、現在の世界政治をコントロールするための最強のツールでもあるのです。

昨年、日本の月探査船「かぐや」が月の接近写真を撮影した後、アメリカの探査船エルクロスが極地クレーターに水の噴煙を上げるために激突しましたが、これはエイリアンベースの破壊が目的だったのではと危惧した専門家もいました。これだけで偶発的な宇宙戦争が起きるとは思えませんが、宇宙人側から見ると、地球は危険な存在であると思われていても仕方がありません。


オカルト技術を未来に生かす

地球社会は今もたくさんの国家に分かれ、貧富の差を克服出来ず、暴力と犯罪に溢れる地域があり、ときには大規模な戦争という破壊行為を引き起こしています。一般の科学は精神世界の超感覚的要素を解き明かせず、地球人全体も、魂からくる生き生きとした目的意識を見出せないでいます。

この様な中では、物質的摩擦を克服し、精神コミュニケーションをマスターしている宇宙人社会について、想像することさえ非常に困難なはずです。このままの状態が続く間は、進化した宇宙人社会との現実的交流のチャンスは、ほぼ無いと言えるでしょう。
しかし一方で、宇宙人に関する真の情報を隠しながら、その能力や技術が密かに使われているようですので、冷静な判断を持ち続ければ、時代が変わる姿を見られるかもしれません。

私たちの文明を支える一部である半導体は、墜落したUFOの残骸からもたらされ、自動車や電気製品などの目覚ましい発展に結びつきました。同様に将来、いわゆる「オカルト・テクノロジー」も、豊かな生活に役立つ有効な利用法が開発されていく可能性は否定できません。
精神と意識の可能性は、 どろどろとした魔界のイメージを持つ一方、生死を超えた自由な悟りの認識へと導き、奇跡現象を起こす面もありますので、新しい時代を切り開いていくための素材として、生かせる可能性は十分あるはずです。

ただ現時点では、その可能性の展望の前に様々な課題が横たわっていますので、今後はさらに具体的な検証をしながら、コラムを進めていきたいと思います。

韮 澤 潤 一 郎
にらさわじゅんいちろう

韮澤潤一郎の監修本
1945年新潟県生まれ。
法政大学文学部を卒業。

科学哲学において、
量子力学と意識の問題を研究する。

たま出版社長 他各社役員・
UFO教育グループ主幹。
 小学生時代にUFOを目撃して以来、40年にわたる内外フィールドワークを伴った研究をもとに雑誌やTVで活躍中。1995年にはUFO党より参議院選挙に出馬。最近は、『たけしのTVタックル』などの番組に出演、超常現象肯定派の側に立って論陣を張る。UFO絶対肯定派。これまでに『ソ連東欧の超科学』『ノストラダムス大予言原典』『第三の選択』、「エドガー・ケイシー・シリーズ」「UFOシリーズ」などのベストセラーを手がけてきた。

 UFOと超常現象における研究の主要なテーマは、UFO目撃事件に始まり、宇宙開発や軍事上の情報操作の実態、宇宙考古学的な視点から見た人類の歴史、ミステリーサークル出現にいたる近代の文明に及ぼす宇宙人の動向、多様なコンタクト事件から判明する宇宙人の文明と、我々地球人の進化と能力の展望。