変革と癒し
UP : 2003.04.22
「これは南極の氷ですよ」といって、著者がお土産を持ってきてくれたことがありました。彼は科学者として水産庁の調査船で南氷洋に何度か出かけていて、その帰りに当社に立ち寄ってくれたのでした。溶けないうちにということで、オンザロックを造っていただいたものです。

 東京大学博士課程で農学博士となり、水産海洋学の専門家ですが、それまでは学生運動の渦中に身を投じたり、東南アジア航路の貨物船で働いたりして青春の苦悩を味わったあげく、アマゾンのジャングルに辿り着くのです。その深い森の中でひとり暮らしたときに、大自然の中から心を揺さぶるような魂の癒しを体験したといいます。その体験記を当社から出版してくれていました。

 そのような体験というものは、結局言葉では伝わらないものなのかもしれません。ジャングルの密林の中で、地球のガイアの響きを聞いたのでしょう。台湾の山間部やアジアの港での体験など、大部な力作でしたが、残念ながら本(『炎の村へ』)はあまり売れず、現在は絶版となっています。

  こうした体験に似たものとして、長時間大気圏外で過ごした宇宙飛行士たちが感じる「宇宙体験」があります。暗黒の宇宙と丸い地球を見ていると、何か非日常的なものの意識の中に入るのでしょうか。それとも宇宙創造の響きが聞こえるのでしょうか。特に長時間船外活動した飛行士達が地球に帰ってくると、宣教師とか、画家、エコロジー活動家、超心理学者などになっているといいます。
 そういえば、日本人として最初の宇宙飛行士になったテレビ局のアナウンサーは、帰ってきてから東北の農村でお百姓さんになっていました。何かこうした人たちは、出家僧のような変容をしているように思えてなりません。

 南極の氷を持ってきてくれた永延幹男氏も、ジャングルの響きが一種の宇宙体験となり、その後の出来事が起きていったように思われるのです。
 それから何年かして「太平洋上でUFOに遭遇したんだけれど、どうしたらいいだろう?」と言って来たのです。聞けばけっこうしっかりとした目撃のようでしたので、きちっとしたレポートを作って、しかるべき媒体に発表してほしいと勧めました。

 これが有名な「開洋丸UFO遭遇事件」となりました。

 最初のレポートは、科学誌『サイエンス』(日経サイエンス社)1988年9月号に、カラーの写真やレーダー解析図などを織り交ぜた7ページの掲載となりました。タイトルは「調査船開洋丸が遭遇した未確認飛行物体の記録」でした。おそらく後にも先にもこの雑誌がUFOを取り上げたのは、この件だけではないかと思います。ですから執筆者永延氏は慎重に、社会人類学の川喜田二郎先生に相談し「己を空しうして、データをして語らしめる」という哲学をアドバイスされ、実践したと記しています。つまり私に言わせれば「遭遇時に受ける、宇宙人からの精神的接触についての言及は避けざるを得なかった」ということです。そういうことを入れたら掲載されなかったでしょう。

 その遭遇は二回にわたっています。

 まず第一回は、1984年12月18日、南米ウルグアイ沖です。8回にわたりオリオン座付近に正確に10分おきに出現し、水平線上を3方に飛行する光体を5人が目撃しました。

 二回目は、ウエーク島北360マイル地点ミッドウェーの近くです。大きさは開洋丸の数倍はあろうかという「巨大タンカー」大。目撃者はレーダーと視認合わせて4人、物体は開洋丸の回りを3回転して、鋭角にターンして飛び去りました。「高度500メートル、速度は秒速1.4キロメートル、時速では5000キロメートルであった」と書かれています。これはとんでもないものです。地球のものではありません。

 この記事が評判になったためか、同『サイエンス』誌は、同年11月号で、再び「特別 インタビュー、筆者が語る未確認飛行物体」という記事を掲載しました。

 今度は、永延氏は話し手として登場します。リードは「この事件以外の聞き取り遭遇例や、目撃したときに感じたことなどを、思いっきり語っていただきます」とあり、海の男たちが、この事件以外にもUFOに遭遇しているということを認め、何か精神的なものがあることに踏み込んでいます。記事は長いので見出しだけ拾ってみましょう。
 
今回のニュースは船の新聞でもトップ扱い。
目撃したときは「さわやかな不思議」を感じた。
聞いてみると遭遇例は多かった。
発表したのは後世に残すため。

 ちょうどこの事件の8日後に、以前このコラムで紹介した日航のジャンボ貨物機の遭遇事件が起きており、開洋丸でも船舶ニュースでその事件を聞き、再認識したとのことです。つまり永延さんたちは、日航機がカナダで目撃したものも、自分たちがミッドウェー沖で見たものも同じくらいの大きさであり、同じものである可能性があると思ったわけです。

 宇宙的な変革は、ややもすればアマゾンのジャングルにまで誘われるような厳しさがあるかもしれませんが、それは自然や宇宙との接触ということであり、この地球にとって最も必要な、本当の意味の癒しなのではないでしょうか。

 「いつも海を忘れない、いい男達へ」と題して5月24日に創刊される『SAFARI』(日之出出版)に、こうした自然と宇宙、そしてUFOに関する私のコラムが連載されることになりましたので、良かったらどうぞお読みください。
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