現代に及ぶ歴史の重み
UP : 2003.11.05
 最近、皇室の名前を騙った詐欺事件でマスコミが賑やかですが、何でこの時期にそのような事件が起きたのか不思議です。このホームページの掲示板に書き込まれていたように、当社で出版した新刊の『日本史のタブーに挑んだ男』が出版されたからでしょうか。
 その書き込みによれば「皇室の名を語る詐欺事件によって、当書が問題提起している明治天皇のことも詐欺まがいだといった印象を与えるためではないか?」というのです。

 まあ、わが社としては「大衆が、皇室や天皇の問題に関心を持ちだしている」という風に受け止めてみたいと思います。すでに大型書店の何軒かでベストセラーに入って来ているようですし、朝晩のテレビニュースのトップで今回の事件が取り上げられていますので、相乗効果的に『日本史のタブーに挑んだ男』を、入口の一番目立つところに何十冊も平積みにして並べた書店が出てきていると聞いています。これは天の助けと、有り難く受け止められることを祈るばかりです。

 先週の金曜日にこの本の出版記念会が開かれました。著者の重松楊江先生の更なる秘話の数々が述べられ、いろいろ再認識させられるところがありました。その時にも挨拶でお話ししたのですが、私自身この本の出版に非常に深い因縁を感じているのです。
 といいますのは、私の父の兄弟は考古学に関係が深く、叔父さんは地元の考古学博物館に勤めておりまして、あの東京オリンピックの聖火台となった火炎式土器の発掘者です。また父も晩年、新潟県中部の山城や古墳の測量 を10年以上続けておりました。父は新潟県の山里のいたるところに山城の跡を発見しており、大きな山城の中には、何十基もの古墳があるなどと言っていたものです。そのころ、私が学校で学んだ日本の歴史から言えば、この辺に古墳だとか、山城がそんなにたくさんあるのはおかしいのではないかと思い、不審に思っていたものです。

 ところが今回の出版を機に実家の書棚を調べてみますと、何とこの本の基となった鹿島氏の著書が何十冊も並んでいるではありませんか!おそらく鹿島理論は、父の研究の大きな支えとなっていたのでしょう。

 調べてみますと、新潟県中部には山城の遺跡が10ヶ所以上あるようです。そしてそれぞれの遺跡の中に最大40基もの古墳が内在しております。しかも弥彦山のふもとの分水町というところには、「新羅王碑」というのがあり、それには「新羅の王が漂着して、そこで亡くなった。碑が風雨で傷んだため、明治35年に再建した」と記されています。
 結局これらの事実を裏付けるには、学校で教えている日本の歴史では分からないことです。まさに今回出版した『日本史のタブーに挑んだ男』の年表によって、私自身納得した次第です。
 あの卑弥呼の時代や神武天皇時代はもとより、奈良時代以前の律令制度公布の西暦700年以前の歴史が、書き換えられているということになります。その事によって、今日までの歴史や民族の実態を理解することが出来なくなっているのです。

 初めにこの本の原稿段階で読んだ時は、地名や人名・歴史用語が分からず、チンプンカンプンだったのですが、何度も読み返すうちにようやく理解出来るようになって来ます。なんと言っても学校で学んだ日本の歴史とは全く違う流れが出てくるのですから、先入観と違う事実を突き付けられて迷ってしまうわけです。

 ですからこの本は、小説を読むようにスラスラと読み流しては意味が全くわかりません。1ページ、いやほんの数行の中に歴史小説を1冊分の容量が含まれていると言ってもいいでしょう。しかもその内容は私たちが教えられている日本の歴史とは違ったものであるだけに、ますますより注意して読まないと意味がわからなくなってきます。

 タイトルに「日本史のタブー」とうたっていますけれど、半分以上は中国大陸からアジア・オリエントとさかのぼり、旧約聖書時代からエジプトに至り、1万年もさかのぼる「人類の全歴史」に及んでいます。その全体の流れの中に日本の歴史を位置づけているのです。

 その1万年もの人類史が、極端に言えば今回の本が「日本国内の東(東京以北)では売れ、西(大阪から九州)の書店では動いていないという結果を導き出している」と言ったら、皆さんは「どういうことなのか」といぶかしく思うことでしょう。
 出版記念会でそのことを話したら、山口から出て来られた地元の研究家の方がおしゃるには「明治維新以来、西の諸藩が仕掛けた政治的な成功が、今日もなお多くの総理大臣を排出していることでわかるように、あの事件(天皇すり替え)で、今日もなお多くの利得を得ている人達があり、地元では当り前のことをこのような本で蒸し返すことに嫌気を持っているのではないか?」と言うのです。

 徳川幕府の成立もそうですし、明治維新の原動力となった西の諸藩の動きや志士たちの背後に、大陸から移り住んだ諸民族の文化、つまりは部落差別の問題も含まれています。これらの事柄の背後にある秘められた人類史を理解することなく、実態を把握することは困難だと言えるでしょう。

 偶然にも私は先週の日曜日に、近くの高麗川(こまがわ)という所にある、高麗(こま)神社に初めてお参りに行ってみました。驚いたことに、神社のいわれが書かれたメインの大きな看板は、「韓国語」と「英語」と「漢語」なのです。日本語は別のところにありました。これは一体どういうことなのかと驚きました。三笠宮殿下をはじめ、歴代の皇室や政治家が参拝しているにも拘わらず「いったいこの神社は誰を祀ったものなのか?」と、興味津々になりました。

 神社の後ろにある、古いわら葺の家は国の記念物に指定され、その背後に古墳らしき山が深い森の中に見えましたが、そこは立入禁止になっていました。
 いわれ書きには「高句麗国の王族高麗王若光を祀る社である。高句麗人は中国大陸に住んでいた騎馬民族で、朝鮮半島に進出して半島北部を領有し、その後唐と新羅の連合軍の攻撃に合い、西暦668年に滅亡。この乱を逃れた高句麗国の貴族や僧侶などが多数日本に渡り、そのうちの1799人がこの武蔵国に移され、新しく「高麗郡」が設置された」とあります。今から1400年も前にここに移り住んだ大陸の人達は、武蔵野の開発に尽くし、二度と故国の土を踏むことなくこの地で没したといいます。「その霊を祀って高麗明神と崇め、以来現在に至るまでその遺徳を偲び、社が守られている」ということです。

 西暦663年の白村江の戦いについては、その真相が本の中に書かれています。いったい大陸と朝鮮半島と日本の間に何があったのか?彼らはなぜ関東にまで来ることが出来たのか?そしてなぜ今の皇室の方々が参拝し、名のある政治家がここにお参りしているのか?これらの背後にある民族の本当の歴史は、世界史の新たな解釈によってこそ、本当の意味で理解することが出来ると言っていいでしょう。

 今回の神社参拝に関する記述は、本の中ではほんの数行に過ぎませんが、地元にあった古い神社のいわれに気が付き、深い感銘を受けることができました。

 人類1万年の歴史が1冊の本の中に凝縮しているのです。まるでこの本は歴史のジグソーパズルのようで、地名も人名も聞き慣れないものばかりですから、自分で年表や歴史地図を調べ、読み返しては更にその流れを理解し、ようやく今生きているこの国と民族だけでなく、世界が依って立つ背景を噛みしめていくことになります。
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